2024.12.05
クリスチャン新聞の9月4日号「『転向療法』への回帰を危惧 『性の聖書的理解ネットワーク』に反論」記事、並びに一連のLGBTQ特集に対し、意見書を送付しました。
2022.09.04 お知らせ
以下の通り、クリスチャン新聞の9月4日号「『転向療法』への回帰を危惧 『性の聖書的理解ネットワーク』に反論」記事、並びに一連のLGBTQ特集に対し、意見書を送付しました。
いのちのことば社クリスチャン新聞編集部様
9月4日号「『転向療法』への回帰を危惧 『性の聖書的理解ネットワーク』に反論」記事、並びに一連のLGBTQ特集に対する意見書
日本のキリスト教界、福音派のオピニオンリーダーとして、様々な情報を発信しておられる御紙に感謝しています。また、ニュースリリースをもとに、「性の聖書的理解ネットワーク(NBUS)」設立記事を7月31日号で掲載してくださり、ありがとうございました。しかし、その後のNBUSに対する報道に対して、異議を申し上げます。これは「LGBTQの問題」というよりは報道倫理、報道の公平・公正に対する異議申し立てです。
9月4日号3面に掲載されたNBUSに対抗して立ち上がった「性の聖書的理解ネットワーク『NBUS』を憂慮するキリスト者連絡会」の設立記事ですが、見出しに「『転向療法』への回帰を危惧」とあります。同連絡会の主張をそのまま見出しにされたのだと思います。しかし、NBUSのウェブサイトのどこにも「転向療法(コンバージョンセラピー)」という文字は使用していないはずですし、「転向療法」を推し進めようという目的は一かけらも掲げておりません。それにもかかわらず、「転向療法」がNBUSの目的であるかのような報道に違和感を覚えます。
「転向療法」を持ち出すのは、人々の恐怖感や不信感をかき混ぜようとするいわゆる「ゲイ・クリスチャン」の典型的な戦略です。同連絡会のサイトには、「転向療法」とは「手や性器に電気ショックを与えたり、同性愛的エロティック刺激提示と同時に悪心誘発剤を投与したりするなどの身体的・精神的拷問」と書かれていますが、NBUSがそんな非人道的な療法を推奨するはずもなく、非常に馬鹿げた内容です。まともな読者なら、その内容の異様さ、極端さに驚かれることでしょう。しかし、御紙が同連絡会の内容をそのまま記事にするだけでなく、見出しにまで使ったことにより、NBUSがその非人道的な「転向療法」を推し進めるネットワークだという間違った印象を、読者に広く伝えたことになります。これはまさにフェイクニュースに手を貸す報道、否、フェイクニュースそのものと言えないでしょうか(くしくも、9月4日号の御紙の特集は、フェイクニュースでした)。
報道においての基本は、情報をそのまま受け取るのでなく、その情報が事実かどうかを精査し、しっかり確認作業をすることだと思います。その上で問いたいのですが、この同連絡会のサイトの内容を精査されたのでしょうか。NBUSのサイトに「転向療法」という文字があるかないか、くまなく確認されたのでしょうか。なぜ、NBUSに一本、「転向療法」についての質問や確認のメールをくださらなかったのでしょうか(もし連絡をくださったなら、「転向療法」がゲイ・クリスチャンの戦略であることをお伝えできたことでしょう)。このように、福音主義に立った公的なメディアである御紙が、基本的な情報の精査、確認作業を怠り、偏った報道をされたことに、私どもはショックを覚えずにはいられません。二度と、こういう報道をなされないよう強く求めます。
また、報道の公平・公正に関してですが、例えばNHKは「公平・公正」、「不偏不党」を報道の基本的姿勢としています。すなわち、「意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う」ということです。LGBTQの問題に関しても様々な見解があります。ナッシュビル宣言には9月3日時点で450名以上が賛同し署名をしてくださいました。さらに呼びかけ人には著名な牧師、伝道師、神学校教師会が名を連ねており、今後、呼びかけ人に名前を連ねようと考えておられる牧師、神学校教師会も少なからずあります。しかも、アメリカではナッシュビル宣言の初期賛同者に、御社が発行する書籍の著者でもあるJ・I・パッカー、ジョン・パイパー、R・C・スプロールなど、著名な神学者、牧師が名を連ねております。それにもかかわらず、御社・御紙は、性の聖書的理解を示したナッシュビル宣言の報道に対しては、非常に後ろ向きであると言わざるをえません。
一方、御紙は5月22日号、6月20日号と、立て続けに「同性愛は罪ではない」と主張する当事者クリスチャンの視点で、しかも各号3頁も割いて特集を組んでおり、さらにこの9月にも特集が組まれると予告されております。広告を見ると、広告主はLGBTQのクリスチャン、あるいはLGBTQクリスチャンを応援する牧師、信徒、出版社のようです。福音派を代表する御社、御紙は、LGBTQに関する一連の報道に関しては聖書的見解が全く含まれておらず、公平・公正をかなぐり捨てて、偏向報道に邁進しておられるように思えてなりません。このような報道に異議申し立てをすると共に、公平・公正な報道を強く要請いたします。
この点に関してご意見、ご質問等があればお返事をください。呼びかけ人が対応させていただきます。
2022年9月4日 NBUS呼びかけ人一同